マルポメの子犬が、じゃれつくように手を噛んでくる――
その姿はかわいらしい反面、「このままにしていていいのかな?」と心配になることもありますよね。
でも大丈夫。
子犬の甘噛みは自然な行動のひとつ。
大切なのは、“していいこと・ダメなこと”を正しく伝えていくことです。
甘噛みを放っておくと、
● 本気噛みにエスカレートする
● 人の手をおもちゃとして覚えてしまう
● コミュニケーションがぎこちなくなる
といった問題につながることもあります。
この記事では、次のポイントをわかりやすく解説します:
- マルポメが甘噛みする理由と背景
- 上手にやめさせるための具体的な対応方法
- やってはいけないNG対応(逆効果の接し方)
- 飼い主として大切にしたい心の持ち方
かわいさの奥にある“甘噛みのサイン”を読み取りながら、
優しさと一貫性をもって、落ち着いた関係を育てていきましょう。
なぜマルポメは甘噛みするの?|理由を知れば対処が見えてくる
まずは、「どうしてマルポメは甘噛みをするのか?」という原因を正しく知ることが大切です。
理由がわかれば、感情的に叱るのではなく、適切に対応することができるようになります。
子犬期の歯の生え変わりによるムズムズ感
マルポメは生後3〜6ヶ月ごろになると、乳歯から永久歯への生え変わりが始まります。
この時期、歯ぐきがかゆくなり、「なにかを噛みたい!」という欲求が強くなります。
この“ムズムズ感”を解消するために、
おもちゃだけでなく、人の手や家具など身近なものを噛んでしまうことも珍しくありません。
甘噛みは、この「かゆみをどうにかしたい」本能的な行動の一つなのです。
遊びたい・かまってほしいという気持ち
マルポメはとても社交的で、人とふれ合うことが大好きな犬種です。
だからこそ、遊びの延長で手や洋服を噛んでくることもよくあります。
「もっと遊んで!」「こっち見て!」
――そういったかまってサインとして甘噛みが出ることもあります。
特に遊んでいるときや、テンションが高くなっているときには、
つい興奮してガブッといってしまうこともあるでしょう。
ストレスや退屈による“はけ口”としての甘噛み
- 散歩の時間が減っている
- 飼い主と過ごす時間が少ない
- お留守番が長くて刺激が足りない
こうした状態が続くと、マルポメは噛むことでエネルギーを発散しようとすることがあります。
特に運動不足が重なると、「退屈だなあ」「イライラするなあ」という気持ちがたまり、
その出口として甘噛みが出ることも。
甘噛みは「しつけ」ではなく「コミュニケーションのサイン」
甘噛みは、“攻撃”ではなく、何かを伝えようとする行動の一つ。
「この子、怒ってるのかな?」と感じたとしても、
多くの場合は「ムズムズするよ」「遊びたいよ」「ヒマだよ」という気持ちが隠れています。
だからこそ、頭ごなしに叱るのではなく、まずは理由を見つめることが甘噛み改善の第一歩です。

甘噛みをやめさせるための基本対処|“ダメ”をやさしく伝えるコツ
甘噛みは、放っておくと「噛むと構ってもらえる」「噛んでOKなんだ」と覚えてしまい、
成長後の本気噛みに発展することもあります。
ここでは、マルポメに“噛んだら楽しいことは終わる”というルールを教えるための、
具体的な対処法をご紹介します。
遊びの途中で手を噛まれたら、その瞬間に中断
「ガブッ」ときたら、すぐに遊びを中断してその場を離れましょう。
- 無言でスッと立ち去る
- 2〜3分ほど相手をしない
- 再び落ち着いてから遊びを再開
これを繰り返すことで、
マルポメは「噛むと楽しい時間が終わるんだ」と学んでいきます。
⚠️ 注意:中断するタイミングが遅いと、
「遊び続けた→噛んでも大丈夫」と覚えてしまうことがあるため、“すぐに中断”がカギです。
「痛い!」と短く低い声でリアクションし、無視する
噛まれたときは、軽く「痛い!」と一言だけ伝えるのも有効です。
ただし、大げさに叫んだり、怒鳴ったりするのはNG。
- 落ち着いた低い声で「イタイ」
- そのまま目を合わせず無視
- 過剰なリアクションはしない
なぜなら、派手な反応は“遊びの一環”と勘違いされてしまうことがあるからです。

代わりに噛んでいいおもちゃを渡す
マルポメが甘噛みしそうな様子を見せたときは、
噛んでもいいおもちゃやガムに誘導してあげましょう。
おすすめアイテム:
- 知育トイ(コングなど)
- 少し硬めのおもちゃ(布系・ゴム系)
- 噛みごたえのあるトリーツ入りおもちゃ
「噛みたい欲求」は我慢させすぎず、発散できる場所を作ってあげることも大切です。
手でじゃれさせない習慣をつける
日ごろの遊びの中で、つい手を使ってじゃらす癖がついている方は要注意。
マルポメが「手=おもちゃ」と認識してしまうと、
甘噛みのクセがなかなか抜けにくくなってしまいます。
- 手ではなく、おもちゃを介して遊ぶ
- 手は「なでるもの」「優しく触れるもの」として教える
- 子どもと遊ぶときは、遊び方をあらかじめ共有しておく
甘噛みは習慣づける前に、しっかりと伝えることが大事。
叱るのではなく、“やさしく正しく教える”意識で接してあげましょう。

やってはいけないNG対応|逆効果になる接し方に注意!
甘噛みをされると、つい感情的になってしまうこともありますよね。
でも、一貫性のない対応や過度なリアクションは、かえって甘噛みを悪化させる原因にもなります。
ここでは、やってしまいがちなNG対応と、その理由を解説します。
大声で怒鳴る・叩くなどの“強い罰”
「痛い!」「もうやめて!」と怒鳴ったり、手を叩いたりしてしまうと、
マルポメは恐怖を感じたり、防衛本能が働いたりしてしまいます。
その結果:
- 飼い主を信頼できなくなる
- かえって噛みつき行動が強化される
- 人の手=怖いもの、と認識してしまう
罰はしつけではありません。
“伝える”ではなく“恐れさせる”ことで関係性が崩れてしまうため、絶対に避けましょう。
「まあいいか」と毎回許してしまう
「まだ子犬だから…」「痛くないから大丈夫」と、
甘噛みをそのままにしていると、噛むことが日常化してしまいます。
とくに、飼い主が笑顔で反応したり、かまってしまうと、
マルポメは「噛めば注目してもらえる」と学習してしまう可能性が。
⚠️ 甘噛みは“早いうちにルールを伝える”のがポイントです。
ずっと無視し続ける(放置しすぎる)
甘噛みの直後に一時的に無視するのは有効ですが、
長時間無視を続けてしまうと、マルポメにとっては「見捨てられた」と感じてしまうことも。
特に繊細な性格の子は、不安になってかえってストレスが増し、
甘噛みや問題行動が強くなってしまう可能性もあります。
✅ 無視するのは「噛んだ直後の数分だけ」でOK。
落ち着いたら、またいつも通り優しく接してあげましょう。
根本原因を見逃したまま放置
実は、甘噛みには「かまってほしい」や「ストレスを発散したい」などの背景があることも。
- 散歩不足や遊び時間の少なさ
- 留守番時間が長すぎる
- 飼い主とのコミュニケーション不足
などが原因の場合、生活そのものの見直しが必要になることもあります。
かわいさだけに流されない“バランス感覚”を大切に
甘噛みは子犬特有の行動ではありますが、
「かわいいから」と毎回受け入れてしまうと、成犬になっても続くクセになってしまいます。
やさしく、でもブレずに。
“ダメなことはダメ”を、落ち着いて伝える姿勢がマルポメとの信頼関係を育てます。・食事・遊び…どこかに偏りがないか見直してみましょう。

まとめ|甘噛みは“教えるチャンス”。かわいさの裏にあるサインを見逃さずに
マルポメの甘噛みは、子犬らしい自然な行動です。
でも、だからといって放っておくと、将来の噛み癖につながる可能性も。
甘噛みは叱りつけるものではなく、「こうしたほうがいいよ」を伝えるチャンスとして向き合いましょう。
✅ 甘噛み対策のポイントおさらい
- 歯の生え変わり・遊びたい気持ち・退屈などが主な原因
- 噛んだら遊びを中断=楽しい時間が終わると学ばせる
- 「痛い!」と短く伝えて、その後は無視するのが効果的
- 噛んでもいいおもちゃで欲求を発散させてあげる
- 手はおもちゃにしない。ふれあいは“優しく触れる”で統一
- 怒鳴る・叩くなどの罰は信頼関係を壊すだけなのでNG
- 毎回許してしまう・完全放置も逆効果に
- ストレス・運動不足・遊び不足が背景にないかもチェック
甘噛みは、かわいいけど、ちょっと困る行動。
その“ちょっと困る”のうちに、やさしく、でもきちんと伝えてあげることが大切です。
「ダメ!」と怒るのではなく、
「そうじゃないよ、こっちだよ」と導いてあげる気持ちで接していきましょう。
マルポメとの信頼関係が深まるほど、
「もう噛まなくても大丈夫だよ」と、自分から気持ちを切り替えてくれるようになります。行動です。
焦らず、正しい方法で根気よく接することが、信頼関係の第一歩になります。