マルポメとは、マルチーズとポメラニアンを掛け合わせたミックス犬のこと。
ポメマルとも呼ばれています。
純血種とは異なり、血統書こそありませんが、
その可愛らしいルックスと、穏やかで飼いやすい性格のバランスが注目され、人気が高まっています。
特に近年では「デザイナーズドッグ(意図的に交配されたミックス犬)」として認識されるようになり、
“世界に一匹だけの個性”を持つ小型犬として愛されています。
■ ルーツにある2つの名門犬種
マルポメの魅力は、親犬であるマルチーズとポメラニアンの血統の深さと性格の豊かさにあります。
🐶 マルチーズの歴史
マルチーズは、地中海のマルタ島原産で、「生きた宝石」とも称されるトイサイズの犬。
王族や貴族たちに寵愛されてきた歴史を持ち、詩や絵画、彫刻にも登場する由緒正しい存在です。
絹のように白く滑らかな被毛と、優雅な立ち振る舞いが特徴で、
穏やか・従順・甘えん坊という性格は、今も昔も変わらぬ人気の理由です。
🐕 ポメラニアンの歴史
一方のポメラニアンは、バルト海沿岸の「ポメラニア地方」発祥。
その祖先はスピッツ系のそり犬で、かつては力強く雪原を駆ける作業犬でした。
その勇敢さと知性、活発さはそのままに、小型化されたのが現代のポメラニアン。
ヴィクトリア女王やナポレオンも愛したこの犬は、今も世界の人気犬種トップ20にランクインしています。

■ マルポメの誕生とデザイナーズドッグという発想
マルポメのような“意図的なミックス犬”は、1990年代のアメリカで登場した「デザイナーズドッグ」ブームの中で誕生しました。
最初に注目されたのは「ラブラドゥードル(ラブラドール×プードル)」で、
- 抜け毛の少なさ
- 頭の良さ
- 飼いやすさ
といった理想的な特徴を掛け合わせるという発想が生まれました。
この流れを受けて、さまざまなミックス犬が登場。
マルポメもまた、穏やかで落ち着きやすいマルチーズと、元気で愛嬌のあるポメラニアンの良さを併せ持つ存在として生み出されました。
一説では、プロのブリーダーによる意図的な交配が始まったのは20〜30年前のアメリカとされています。
特徴 | マルチーズ由来 | ポメラニアン由来 |
---|---|---|
性格 | 穏やか・人懐っこい | 活発・好奇心旺盛 |
被毛 | シルクのような直毛(白) | フワフワのダブルコート(多色) |
吠えの傾向 | 少なめ | 多め(番犬気質) |
サイズ傾向 | 2〜3kg前後 | 2〜4kg前後(個体差あり) |
見た目も性格も、どちらに似るかは個体差がありますが、
2つの歴史ある犬種の“いいとこ取り”を狙って生まれたミックスであることは間違いありません。

■ 日本での広がりと人気の高まり
マルポメが日本で本格的に知られるようになったのはここ10年ほどのこと。
それ以前は、マルプー(マルチーズ×プードル)やチワプーなどが先行していました。
しかし、SNSの普及により状況は一変。
YouTubeやInstagramなどでモコモコとした愛らしい姿と、落ち着いた性格が話題となり、
“飼いやすいミックス犬”として注目され始めます。
ブリーダーの中にはマルポメ専門を名乗るところも登場し、
2020年代に入ってからは、安定した人気を獲得するようになりました。

■ 日本における販売価格と人気の推移
💰 平均的な参考販売価格(2024〜2025年)
地域 | 平均価格帯 |
---|---|
首都圏 | 25〜40万円 |
関西圏 | 20〜35万円 |
地方都市 | 15〜30万円 |
価格は毛色やサイズ、親犬の血統によって大きく異なります。
📈 人気の流れ
- 〜2020年:まだ珍しい存在
- 2021〜2023年:SNSでの露出が増加
- 2024年以降:安定した人気を確立し、専門ブリーダーも増加中

■ 血統書がなくても「唯一無二の家族」
マルポメには、JKCやAKCのような血統書が発行されません。
つまり“正式な犬種”ではないのですが、それがむしろ個性として評価されている側面もあります。
- 血統に縛られない自由な外見
- 健康的な交配による遺伝的リスクの緩和
- 世界に一匹だけの魅力と性格
マルポメは、型にはまらない魅力を持つ新しい時代の家族です。

📝 まとめ
- マルポメは、マルチーズとポメラニアンを掛け合わせたミックス犬
- 両親犬はどちらも世界中で愛されてきた歴史ある犬種
- 1990年代のアメリカで「デザイナーズドッグ」として注目されはじめた
- 日本ではSNSをきっかけに知名度と人気が上昇中
- 血統書はなくても“世界にひとつの個性”として深く愛されている
ゆっくりと広まりながら、今ではたくさんの家庭で愛されるようになったマルポメ。
この歴史を知ることで、あらためてその魅力を感じられるはずです。
マルポメは素敵なルーツを持つ、かけがえのない存在ですね。